こんにちは
アスベストの施工方法から法律が関わってくるところまでを説明してきましたが、
ちょっと飽きてきたので、今回は今話題?問題?となっている築地の解体における、アスベスト対策の是非についてアスベスト専門業者なりの意見を書いてみようと思います。
もしかしたら不快に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
そういった方の意見も是非聞いてみたいので、コメントを残していただけると幸いです。
築地の解体におけるアスベストの施工面積について、上記のような画像が出回っています。
おそらく、築地の建物の古さから、吹付け材、仕上塗材、配管エルボ、レベル3建材など多数のアスベスト建材が使用されていると思うので、こちらの図は正しいのかなぁと思います。
それでは、一番今何が問題となっているか!
それは、
①アスベスト対策について発注者である「東京都」が十分な近隣説明を行っていないこと。
②アスベストが使用されている部位の説明がまったくされていないこと。
だと思います。
この大前提として
「しっかりアスベスト対策工事が行われているのか!」ということだとは思いますが
その辺から書いていきます。
Q.しっかりアスベスト対策工事が行われているのか?
A.品質の問題は確かなことは言えませんが、対策工事は確実に行われていると思います。
私も解体業者の下請けとして調査協力に行き、築地施設内のスクリーニングに参加しました。
通常、建築年代から「見なし建材」として取り扱うレベル3建材も調査対象として含んで廻りました。
レベル3建材まで見て回るということは、それなりのアスベスト対策に対する予算は組まれているのではないかと推測されます。
Q.アスベスト対策に対して、発注者である「東京都」が十分な説明をしていないこと。
A.近年アスベスト対策工事を行う前に、近隣住民との
「リスクコミュニケーション」をとるよう、担当行政の環境担当部署より指導されています。
それを行うよう指導している東京都が、それを無視して自分たちの工事は関係ない!とばかりに工事を進めてしまうのはいかがなものかと正直思います。
住民への不満や不安をどのように担保するのか。
何をもって安全な工事です!といい張れるのか。
その辺は東京都として十分に対応すべきなのではないかと思います。
現在、東京都の指導(マニュアル)として、除去作業6日毎に1回の粉じん濃度測定が
定められています。
それをもとに説明することも可能ですが、たまたまその時観測されていないだけであって、
他の日が大丈夫なのか?と言われれば疑問が残ります。
それこそ、発注者として、指導する立場である行政機関として、住民の健康は不安を解消すべく、
自ら毎日のように隔離養生内に立入検査を行い、
デジタル粉じん計でいいから排気ダクト口の測定を行い、
私が測定しました!絶対に飛散していません!
と言えるまではこれだけ騒がれてしまった築地解体を穏便に進行させていくのは無理なのではないでしょうか?
それこそ、
敷地境界での環境測定を毎日行うとか、追加予算を検討するのも一つの手かと思います。
まだまだ残っているアスベスト問題を今後どのように解決していくのか
指導を行う立場と、発注責任を持つ立場のある東京都がしっかりと対応していくことが
今後のアスベスト対策工事がしっかりと行われる基盤を整備することにつながるのではないでしょうか。
Q.アスベストが使用されている部位の説明について
A.スクリーニングにいった感じですと、建物が古いため、全部ありなんじゃないかwと思うものばかりでしたw
不安を煽るのもよくないので、あくまで僕が見ただけでの感想です。(※見ただけでは絶対にアスベストがあるかどうかなんてわかりません)
アスベスト使用部位が知りたいのであれば、現場付近の建設工事の看板等が貼られているところに、
「建築物解体等のお知らせ」という看板が貼られているかと思います。
そこに、調査した部位、それからアスベストが含有されている部位、対策方法、発注者情報、施工者情報、石綿作業主任者の情報、含有調査の分析機関等の情報が記載されているはずです。
そちらを確認するということで知ることはできます。
ただし、調査箇所が不十分な場合があるので、鵜のみするのはどうかと思います。
暇なときにtwitterに書いたのですが、含有調査の結果や、施工方法などを「情報公開請求」により知ることができます。
おそらく今回の届出は中央区にされているはずですので、
中央区宛に
「築地解体工事(正式な工事名称)で届出されている、「特定粉じん排出作業等実施届とそれに添付されている施工計画書等一式」を公開請求することにより確認することができます(たぶん)
2度くらい、自社とは全く関係ない工事の情報公開請求をし、閲覧することができたので、おそらくできるのではにかと思います。
私の個人的な留意点は上の方にある画像に
「天井裏などの建物内部は施工の段階に応じ調査」
とありますが、どの段階なのか気になりますw
天井ボードの裏側に吹付け材があったら間違いなく飛散します。
ですので、今現状、労基や行政は天井ボード裏に石綿含有吹付け材が有る場合
「隔離養生をした後、天井ボードを落とすこと」とマニュアル等により指導しています。
また、届出の時も確認されるはずです。
その天井ボードを落とすという行為が調査の後にされるのか、
調査の前にされてしまうのか、非常に気になるところです。
アスベスト業者でもよくわかっていない業者は天井ボード撤去後に養生しています。
実際現調の時にそのような現場に遭遇し暴露したことがあります(泣)
(将来石綿疾患にかかったら訴訟ものです)
アスベスト対策業者がその辺をしっかり元請けに説明し、元請けはそれをもとに工程を描いているのか、気になるところではあります。
最後に、築地のアスベスト対策工事には、私の協力業者が数社入っています。
おそらく3次、4次業者として入っているかと思いますが、その業者を監督する1次、2次業者、そして元請がしっかりと指導し、安全な工事(施工側も近隣側も)をしてくれることを願います。
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