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大気汚染防止法案 閣議決定!

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こんにちは 最近夜間に石綿の実態調査(どこに石綿が使用されており、どこが対策済で、どこが対策されていないか)をやっており、情報に目を向けておりませんでした。 久しぶりに事務所で情報収集しようとしたら早速ありましたね。 日本経済新聞のNET版 日本経済新聞より 石綿飛散対策の対象が全建材になりました。(おそらくレベル1・2だけでなく3もという意味だと思います) 罰則の内容も記載されてますね。 届出義務違反者に30万以下の罰金だそうです。 最近は大規模修繕工事に先立ち調査をやってくれという話がよく来ますが、 今後多方面からアスベスト調査の依頼がきそうですね。 特に商業ビルはテナントの入れ替えに伴い改修しているケースが多いため 調査する建材も膨大な数になります。 それだけをちゃんと調査できる調査者がどれだけいるのか…。 おそらく調査者の資格添付なども求められることになると思うので、 ミスが許されない調査をしてきたいです。

アスベストの含有調査について

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こんにちは 今回は意外と知られていない、アスベスト含有調査のことについて解説します。 建物の解体・改修工事を行う際に、アスベストの含有が懸念される建材が有った場合、 含有調査を行わなければなりません。 過去の記事” これはアスベスト? "の中でもご紹介した、建物の年代や設計図書により ”アスベスト有り”とする分には問題ありません。 しかし、知識のないものが含有調査を行う、または行わなかったことにより、アスベストが周囲に飛散するなんてことも起きています。 現に、僕が住んでいる隣の建物が解体されるらしく、お知らせ看板が貼られているのですが、 調査方法 「目視」 調査結果 「アスベストなし」 うそだろ! 外壁に吹付タイルあるじゃねぇか! と思っています。 なぜそんな杜撰なことが起きてしまうのか ①工事の元請が無知だから ②アスベスト業者が無知だから ③施主が調査費をケチったから という理由が上げられます。 平成26年に大気汚染防止法が改正されました。 これにより 1.含有調査は工事の受注者(元請)が行いなさい。 2.調査結果を発注者に 書面をもって 説明しなさい。 3.発注者は調査費を負担しなさい。 と明確に記述されています。 法律は知らないでは済まされません。 現場で働く労働者、工事現場の周辺の環境を如何に守るかは 工事を行う事業者と、工事の発注者に委ねられています。 しっかりとした段取り、手続きを行わなければ、健康被害以外にも、 ①工事の中断(行政・労基による指導で工事ストップ) ②事業計画の見直し ③思いもよらない費用の発生 等のリスクが生じます。 工事が中断すれば工事に入る予定だった職人の人工代がかかります。 完成時期もずれるので、当然発注者の事業計画にも支障が生じます。 調査の結果アスベストが有った場合、アスベスト対策費用が新たに発生します。 自分たち・周辺住民を守るためにも、 アスベストに対して適正な処置を講じることが当たり前な世の中になってほしいです。

石綿含有仕上塗材の除去について

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こんにちは 今回は石綿含有仕上塗材の除去をするうえで、 『ここ、どうやって除去するの?』 ってところをどのように施工すべきかについて解説していきます。 解体現場、改修現場において、こんな現場ありませんか? 隣地との距離 隣の建物との距離が短すぎて、人が入れない!どうやって除去すればいいんだ!! という物件…ありませんか? ありますよね? 私は頻繁に出くわします。 幸い、そのような現場の含有調査をした際、含有されてないことがほとんどだったため、施工はまだしたことがありません。 しかし、建物の老朽化、開発等がすすんでいく中、いつかはこのような案件がくるのではないかとドキドキしています。 可能であればやりたくない 可能であれば、避けて通りたいこのような現場 実際施工しているところはちゃんと対策しているのでしょうか。 ある役所(届出の際、今までで一番審査が厳しかったところ)に聞いてみました。 担当者「隣の建物の方にご協力いただいて…と言いたいところですが、現実的ではないです。現状 ①建物周囲を防音シートで囲う(屋根養生も) ②壁面を引き倒すため、コア抜きを行う。 ③コアを抜く際、十分に散水を行い、コア施工箇所の近くに負圧除塵装置を設置・稼働 ④散水により発生した液体はアスベストの処理(HEPAフィルターによる濾過か凝固剤による吸水) ⑤壁の引き倒し ⑥適切な施工方法による除去作業 の手順で行えばいいです。」 と教えていただきました。 すべての行政でこの施工方法が審査通るかはわかりません が、現状これくらいしか解決方法がないとのことです。 隣の建物も区画整備等により解体するのであれば、隣の建物をまず倒して、そのあと除去作業をする必要が有ります。 今後、もっと確実に施工を行える工法が出てくれば、その工法をもった会社は相当な工事需要がでてくるのではないかと思います。

解体工法(転倒工法)

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こんにちは 今回は解体工法のメインともなる、 転倒工法 について解説していきます。 転倒工法 転倒工法は壁を建物の内側に引き倒す工法で、主にRC造やSRC造の解体に採用されます。 転倒工法は単独での解体は出来ず、 前回解説した、圧砕工法やブレーカー工法を併用することが殆どです。 以下の場合に転倒工法が採用されます。 ①建物周囲に騒音・振動・粉じんを防止できるだけの空地がある場合 ②騒音、振動、粉じんの発生時間を可能な限り短くしたい場合 ③ラーメン構造の解体の場合 ④間仕切り壁の解体の場合 特徴としては、 長所   ・高所作業を減らすことができる。  ・敷地境界付近での作業を減らすことができる。  ・能率がいい 短所   ・転倒時に騒音、振動、粉じんが発生する。  ・熟練が必要   ・手順を間違えると大事故につながる。 等が上げられます。 柱・梁との縁を切り、 原則重機2台を使用して 内側に壁を倒していくのですが、 万が一壁が外側に倒れてしまうと、外部足場を倒壊させるなどして、第3者へも 被害が及ぶ可能性があります。 そのため、重機を相番作業させ、慎重に解体していく必要があります。 また、倒された壁は大きいままで、そのままでは産廃として搬出できないため、 二次破砕の作業が必要になります。 また、足場の壁繋ぎがとられたまま施工してしまうと、足場倒壊による災害が発生して しまうため、壁繋ぎの撤去の確認が必要になります。 それでも、圧砕工法にくらべて、コンクリートガラの飛散の可能性が少ないため、 場合によっては転倒工法に方が安全な場合があります。 重機が2台入れられないような狭小地での解体の場合は、ワイヤーロープ等で固定して、支持する必要が有ります。 騒音・振動対策として、それまでの解体時に発生した鉄筋くず(通称:鉄筋ダンゴ)をクッション代わりに使用して、衝撃を和らげることにより、騒音・振動を減少させることができます。 こちらの解体方法ですが、「石綿含有仕上塗材」の除去を行う上で、関係のある工法になります。  次回の記事でアスベスト除去特別編として、ちょっと変わった現場での施工方法を御紹介していこうと思います。

アスベストと解体(鉄筋コンクリート造について)

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こんにちは 今回はRC造の解体とアスベストの関係性について解説していきます。 まずRC造の解体工法について 内装解体については基本的にS造同様手作業で行います。 躯体を解体する際は以下の工法が用いられます。 1.地上解体 重機を地上に置いたまま解体する工法です。 ロングブーム等を使用して8階程度までは解体できますが、 大きな重機を使用する分、安全面でもより慎重な作業が必要となります。 2.階上解体 重機を屋上まで揚重し、上のフロアから解体する工法です。 重機が建物に乗って耐えられるよう、下階に補強サポートをする必要があり、 また、揚重作業において、周りの土地の条件等によりより慎重な作業が必要になります。 狭い土地での解体に良く採用されます。 解体方法の種類 ①圧砕工法 ②ブレーカー工法 ③切削工法 ④加熱工法 ⑤膨張工法 ⑥発破工法 ⑦転倒工法 この中で一般的に使われます、①~③の工法について説明していきます。 ①圧砕工法 圧砕工法は重機に圧砕具というアタッチメントを装着して解体していきます。 圧砕機 厚労省より 圧砕具は文字の通り、油圧によって挟み込むようにして砕いて解体してきます。 特徴としては 長所   ・振動がほとんど出ない  ・3階建くらいのものからロングブームを使用すれば8階まで地上から解体することができる。  ・コンクリート破砕後の鉄筋切断作業が少なくて済み、効率がいい 短所  ・粉じんが発生しやすいため、散水が必要  ・鉄筋を切断する刃の摩耗が激しく、頻繁に交換が必要  ・圧砕具の重量が大きいため、ベースマシーンがそれなりの重さが必要になる。 等が上げれらます。 現在、解体業界において、如何に騒音・振動を抑え、スピードを上げて作業を行うか という中で、一番用いられている解体工法になります。 ②ブレーカー工法 1)ハンドブレーカー工法 ハンドブレーカーにより解体する工法です。 小規模な解体なら可能ですが、作業員に振動の負担がかかり、白蝋病というリスクがあります。 細かい解体が可能なので、改修工事の際の、躯体に開口をあける等の作業に向いています。 2)大型ブレーカー工法 重機にブレーカーを装着して解体する工法です。 大きさや形状にと

アスベストと解体(鉄骨造解体について)

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こんにちは 前回” アスベストと解体工事(木造解体ついて) ”で木造解体とそのアスベスト懸念箇所について解説しました。 今回は鉄骨造の解体とアスベストについて解説していきます。 鉄骨造の解体には3種類あり ①ハイテンションボルトを緩めて鉄骨組をほどくことに解体する方法 ②ガス溶断により鉄骨を切断して解体する方法 ③重機で解体する方法 が上げられます。 ①ハイテンションボルトを緩めての解体 こちらは文字通り、鉄骨を固定しているハイテンションボルトを緩め、鉄骨組をほどく ことによる解体です。 ハイテンションボルトは鉄骨とボルトの摩擦によって支持されており、 ほどくにはそれなりの工具が必要になります。(インパクト等) また、現在はトルクレンチというものにより、逆回転でトルクをかけることにより、緩めることができます。 他にも、レンチに単管を繋げ、テコの原理により緩める方法もあります。 鉄腕ダッシュで鉄の解体の時に使用しているのを見て、身近に感じましたw 火を使わないため、比較的安全に作業を行うことができますが、鉄骨の落下を防ぐため クレーン等により鉄骨を吊りながら作業する必要があります。 ②ガス溶断による解体 火を使用して鉄骨を切断することにより解体していきます。 ①と同様にクレーン等を使用し、撤去する鉄骨を吊りながら作業します。 火を使用するため、火の粉による火災が起きないよう、養生等をしっかり行う必要が有ります。 ③重機による解体 重機に「鉄骨カッター」というアタッチメントを装着して解体していきます。 鉄骨カッター 厚生省より ①と同様にクレーン等を使用し、撤去する鉄骨を吊りながら作業します。 ①と②の工法に比べて格段にスピードが上がり、かつ安全な工法です。 昨今はガス溶断だけではなく、ディスクグラインダー等の火が発生する作業は 現場から疎われるようになってきました。 飛び散った火花が、ウレタン樹脂等に火をつけてしまい、大規模な火災事故も起きています。 解体作業だけでも危険が伴い、かつ火が発生するような作業は火の粉養生、残火確認等の 注意項目が増えます。 解体工法を選定するときは、各現場に応じた、適切な工法を選定する必要があります。 さて、

アスベストと解体(木造解体について)

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こんにちは これまで、アスベストのことについて解説してきました。 アスベストのことについてはとりあえず大まかに説明したので、 次は解体工事のことについて解説していこうと思います。 (このブログでは、建屋解体について解説していきます) 建物には主に4種類の構造があり、構造によって解体方法も異なります。 ①木造(W造) ②鉄骨造(S造) ③鉄筋コンクリート造(RC造) ④鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) このほかにもコンクリートブロック造(CB造)等があります。 このブログではアスベストを絡めながら、①~④までの解体工事について解説していきたいと思います。 今回は木造解体の解説をします。 ①木造解体について 木造建築物の解体には2種類の解体方法があります。 1)手作業工法   文字通り、すべてを手作業にて行います。   木造の組立とほぼ逆の手順で解体を行っていきます。   バールやインパクトドライバー等を使用し、土間や基礎については   大ハンマーやハンドブレーカーを使用します。   手間はかかりますが、解体工事で重要な「分別解体」を行いやすい解体です。 2)手作業併用機械解体工法   内装材等の撤去は手作業で行い、躯体を重機によって解体する方法です。   手作業での丁寧な施工と、重機による高能率を掛け合わせた工法で合理的な   解体方法として採用されています。   重機のアタッチメントには「つかみ機」というものを装着し、作業を行います。 つかみ機(厚労省より) 全てを重機で行う、「ミンチ解体」という解体があります。 解体工事の鉄則「廃棄物を最小限にとどめ、再利用できるものはリサイクルしていく」 の概念から遠い工法(発生材の分別が困難)なため、原則禁止となっています。 建設リサイクル法が施行され、法的にも禁止されています。 さて、ここで木造解体を行う上で、アスベストがどのようなところで出てくるのかを 説明します。 1)外壁の仕上塗材(レベル1・レベル3) 2)和室にあるようなじゅらく壁(レベル1・レベル3) 3)屋根(レベル3) 4)内装材(レベル3) 5)モルタル類(レベル3) 6)外壁材(スレート等)(レベル3) こんなものかなぁと思います。

アスベストの処理方法

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こんにちは 今回はアスベストの処理方法について解説します。 工事関係が多いので、この記事内での廃棄物は 「産業廃棄物」 について書いていきます。 改修工事や解体工事で発生する廃棄物は 「産業廃棄物」 に分類されます。 産業廃棄物の処理は 「排出事業者」 が責任をもって行うよう定められており、 建設業界において、「排出事業者」は 「元請」 が該当します。 ここで解体工事の豆知識ですが 【「廃棄物」とは占有者が自ら使用したり、他人に有償で売却することができないため 不要になったもの。】 と定義されています。 つまり、使用しなくなったもの、売れないものは廃棄物になります。 解体工事を行っていると、銅線や鉄くずができてます。 この金属類はスクラップとして再利用可能な貴重な資源となるため、売却することができます。 たまに「工事現場から鉄くずが盗まれる事件がありました」というのは、 鉄くずはお金になるからです。 解体業者、またはその下請けは直近の上位発注者に対し 「有価物」 として、見積もり金額から控除することがよくあります。 つまり、スクラップが盗まれてしまうと、解体業者としては非常に痛手なわけです。 だからこの記事を見た方は絶対に!工事現場から鉄を持ち去らないでくださいね。 さて、解体工事をしていくなかで、ほとんどの現場で「アスベスト」が含有されている廃棄物が発生します。 そのアスベストは ①レベル1、レベル2建材の廃棄物 ②レベル3建材の廃棄物 で名称・取り扱いが異なります。 ①レベル1・レベル2建材の廃棄物の場合 「廃石綿等」 という名前の 「特別管理産業廃棄物」 に分類されます。 通常の廃棄物とはことなり、 「二重梱包」 や 「薬液安定」 や 「コンクリ―ト固化」 二重梱包状況(厚さ0.15mmのプラスチック袋) などの様々な処理を行ったうえで処分しなければなりません。 飛散性が高いものなので、 特別管理産業廃棄物を収集運搬する業者 特別管理産業廃棄物を処分する業者 はそれぞれ、産業廃棄物を処理するための通常の許可とは別に 「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」 「特別管理産業廃棄物処分業許可」 を取得していなければなりません。

アスベスト対策 レベル1(封じ込め工法)

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こんにちは 今回はレベル1の封じ込め工法について解説していきます。 日本では「除去」が推奨されているようですが、 裁判所関係の公共工事では、封じ込めの工法が選択されています。 封じ込め工法は「解体工事」では採用できません。 封じ込めの特徴として ①工期が除去にくらべて短い トータル的な工期として、除去を行った後はアスベストの使用目的を補填するための 代替品での復旧を行う必要があります。 ②耐火被覆の復旧工事が不要 現在日本では「封じ込め工法」で使用される「飛散防止剤」は「耐火認定」を取得している必要が有ります。耐火認定の材料により、封じ込めされたものは、アスベストの性能を維持した状態となり、そのまま耐火被覆として残置できます。 ③除去が不可な狭小箇所の施工が可能 養生は除去工法と変わりませんが、吹付けのノズルがコンパクトなため、伸ばすことにより、手の届かないところのアスベスト対策が可能になります。 ④コストが比較的安い ①、②の特徴に合わせて、除去工法と比べて「特別管理産業廃棄物」の廃棄量が少なく済みます。 ⑤万が一養生が崩壊することがあったとしても、アスベストが飛散するリスクが少ない。 封じ込め工法はアスベストに直接触れる作業がないため、アスベストの飛散量が少なくすみます。 ⑥将来的には除去しなければならない(除去のコストは上がる傾向があります ) 建物を解体する際、または耐震補強を行う等、で該当箇所のアスベストを除去しなければならないときに、封じ込められたアスベストを除去するには、通常のアスベストの除去にくらべて、「固化」されたものを削り取る作業となるため、費用が上がることが一般的です。 以上、私が思いつく限りの封じ込め工法の特徴をあげました。 私自身、トータル的なコストを考えるのであれば、除去工法をお勧めします。 対象となる建物を「今後どれだけ使用していくのか」と解体時のコストのバランスから 工法選択をするのがベストなのではないかと思います。 もちろん、不動産の価値や、節税対策なども加味されてくるかと思います。 私の会社も自社製品として 「セラパック」 という封じ込め材を取り扱っています。 NHKでも紹介されたこともあったり、某大手設計事務所やスーパーゼネコンからも評価されて

アスベスト対策 レベル2(煙突断熱材編)

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こんにちは 前回記事に引き続きレベル2建材除去の解説をしていきます。 今回は「煙突断熱材」の除去方法について説明致します。 煙突断熱材の除去には2種類あります。 ①人力での除去 ②高圧水洗による除去 それでは解説していきます。 ①人力での除去 この施工方法は大型の煙突に限られます。 多くの煙突はΦ500程度で人が昇降できる足場の設置が不可のため、適応できません。 大型の煙突で、内部に足場を組めるようなもの、またはゴンドラを使用できるようなものに限り適応できます。 ②高圧水洗による除去 この施工方法は一般的な煙突アスベストの除去工法になります。 高圧洗浄車を一台つけ、そこから屋上までホースをつなぎ、冶具を装着して施工を行います。 留意点としまして、 1)煙突内部に鉄筋が有る場合が多く、事前に切断する必要があります。 2)肉眼での確認ができないため、十分に時間をかけて施工を行い、スコープカメラ等によりとり残しがないか確認する必要が有ります。 3)高圧洗浄車を使用する必要があるため駐車できるだけのスペースが必要になります。 4)①と②に共通することですが、煙突の上下で作業が必要なため、上部と下部両方にセキュリティールームを設置する必要があります。 5)高圧洗浄の場合は、アスベストを含んだ排水が発生します。そのまま垂れ流してはいけないため、凝固材等により、吸水する必要が有ります。 以上、簡単ではありますが、煙突断熱材の除去方法の解説になります。 大阪府堺市の建築指導課発注の工事で、煙突の除去が不十分なまま解体され、周囲に飛散させてしまった事例がありました。 発注責任者が書類送検、有識者が現場に立入調査を行うなど、大きな事件となりました。 煙突は全体を肉眼で確認することができないため、普段の施工以上に注意が必要になります。 発注者、または元請となる方々は、しっかりと対応できる業者を選定していただきたいです。 わが社では!(またもや営業 煙突の施工実績も豊富にあり、また、前回記事にもある配管の除去工事の実績も豊富にあります! お困りの方は是非、下記連絡先までお問い合わせください! 東京都港区芝浦1-9-7 OMODAKA BLDG 6F    

アスベスト対策 レベル2(配管編)

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こんにちは 今回はレベル1対策に続きまして、レベル2の対策方法を解説します。 レベル2建材として主に3種類の建材を 過去の記事 で説明しました。 その中にある耐火被覆板(殆どがケイカル2種)についてはレベル1の吹付材の除去方法 と同じ施工方法のため割愛します。 今回は配管に使われている保温材の除去方法について解説していきます。 配管部のどこに保温材が使われているかというと、配管が曲がっている部分 これをエルボ部分といいます。 このエルボ部分に珪藻土とアスベストを混ぜた保温材が使用されています。 この保温材ですが、直管部分についてはグラスウールが施工されていることが多く、 そこにはアスベストは使われていません(まれに直管部分にもアスベストが含有している 保温材が使用されていることがあるので注意してください) そこで、配管を撤去、または改修するときはいわゆる「アスベスト含有部分」と 「アスベスト非含有部分」で要領よく除去を行う必要があります。 配管保温材の除去方法については3つの除去方法があります。 ①部屋全体または作業部屋を仮設し、隔離養生空間を作り、その中で除去作業を行う。  ⇒通常のレベル1除去作業と同じです。 ②グローブバック工法 ③アスベスト非含有部分での切断による除去 それでは順を追って説明していきます。 ①部屋全体または作業部屋を仮設し、隔離養生空間を作り、その中で除去作業を行う。 通常のレベル1除去方法と同様隔離養生を行い、負圧を効かせた状態で作業を行います。 この工法ですと、除去部分に対し、養生範囲が大きくなり、また、作業員がアスベスト粉じんを浴びるため、あまり要領がいい工法とは言えません。 除去部分がどうしても施工しにくいなどの理由がある場合に採用します。 こちらの作業の場合、行政・労基への提出は  行政:特定粉じん搬出作業等実施届  労基:建築物解体等作業届 が必要になります。 ②グローブバック工法 こちらは設備の改修工事の際に使用することがほとんどです。 グローブバックという局所的に養生できる養生材を使用します。 この工法により、作業員が養生の外側から手のみを挿入して作業を行うため、養生費を 削減し、更に作業員

築地解体に伴うアスベスト問題

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こんにちは アスベストの施工方法から法律が関わってくるところまでを説明してきましたが、 ちょっと飽きてきたので、今回は今話題?問題?となっている築地の解体における、アスベスト対策の是非についてアスベスト専門業者なりの意見を書いてみようと思います。 もしかしたら不快に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが そういった方の意見も是非聞いてみたいので、コメントを残していただけると幸いです。 築地の解体におけるアスベストの施工面積について、上記のような画像が出回っています。 おそらく、築地の建物の古さから、吹付け材、仕上塗材、配管エルボ、レベル3建材など多数のアスベスト建材が使用されていると思うので、こちらの図は正しいのかなぁと思います。 それでは、一番今何が問題となっているか! それは、 ①アスベスト対策について発注者である「東京都」が十分な近隣説明を行っていないこと。 ②アスベストが使用されている部位の説明がまったくされていないこと。 だと思います。 この大前提として 「しっかりアスベスト対策工事が行われているのか!」ということだとは思いますが その辺から書いていきます。 Q.しっかりアスベスト対策工事が行われているのか? A.品質の問題は確かなことは言えませんが、対策工事は確実に行われていると思います。 私も解体業者の下請けとして調査協力に行き、築地施設内のスクリーニングに参加しました。 通常、建築年代から「見なし建材」として取り扱うレベル3建材も調査対象として含んで廻りました。 レベル3建材まで見て回るということは、それなりのアスベスト対策に対する予算は組まれているのではないかと推測されます。 Q.アスベスト対策に対して、発注者である「東京都」が十分な説明をしていないこと。 A.近年アスベスト対策工事を行う前に、近隣住民との 「リスクコミュニケーション」 をとるよう、担当行政の環境担当部署より指導されています。 それを行うよう指導している東京都が、それを無視して自分たちの工事は関係ない!とばかりに工事を進めてしまうのはいかがなものかと正直思います。 住民への不満や不安をどのように担保するのか。 何をもって安全な工事です!といい張れるのか。 その辺は東京都として十分に対応

アスベスト工事の資格

こんにちは アスベスト対策で一番メイン(レベル1)の施工方法までは解説しましたので 今回は、アスベスト対策を行う上で関係のある資格の説明を行います。 改修工事や解体工事の内容にアスベストが関わってくる方には知っていただきたい内容です。 ①建設業法編 建設業としてアスベスト対策工事を行う際、建設業者(建設業許可保有業者)は 主任技術者 を配置しなければいけません。 建設業種としては 「建築一式、とび・土工、内装仕上、塗装」 工事業が該当します。 どの業種が当てはまるかは各地方整備局等に確認が必要です。 ちなみに 東京都 は 「とび・土工」 工事業であると確認が取れています。 ですので、東京都の場合は、「とび・土工」工事業の主任技術者となりうる技術者の配置が必要となります。 ②調査編 アスベスト対策工事の前に必ず必要なのが、「アスベスト含有調査」 これは解体工事でも改修工事でも必ず必要となります。 改修業界ではまだあまり認知されていないのが歯がゆいところです。 調査を行うのに必要な資格というのは明確に定められていませんが、アスベスト懸念物質に触る以上、それなりの知識・安全策が必要になるため ・建築物石綿含有建材調査者 ・アスベスト診断士 ・石綿作業主任者 の資格を有するものが調査すべきと考えられます。 ある調査会社から聞いた話ですと、解体工事や改修工事における調査が不十分なため 調査者の資格を定めようという話が持ち上がっているとのことです。 もしかすると、 「建築物石綿含有建材調査者」 が必要になるのではということですが、 まだ国から発表されていないため定かではありません。 2020年1月8日追記 厚生労働省、環境省の資料によりますと、改修・解体工事における請負金額100万以上の工事は事前調査の届出は必要になるようです。 その届出の際、調査者の資格を添付する必要がでてくる可能性が示唆されています。 詳しくは こちら と こちら と こちら を参照してください。 ③施工編 アスベスト対策工事を行う際は、施工する事業者は全て 「石綿作業主任者」 を選任する必要が有ります。 ※平成18年3月31日までに 「特定化学物質等作業主任者」 を取得されている方 1次会社が管

石綿含有仕上塗材除去工法(剥離剤併用手工具ケレン工法編)

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こんにちは 昨日は石綿含有仕上塗材の取扱について説明しました。 本日はその除去工法の一つ「剥離剤併用手工具ケレン工法」について説明致します。 世の中の建物には吹付けタイルやリシン等、様々な仕上塗材が使用されています。 それを大規模改修工事のとき等に一度塗材を落とし、再度塗りなおすことがあります。 そんなときに「剥離剤」という薬剤を使用します。 この剥離剤ですが、種類が豊富にあり、薬剤によって様々な特徴があります。 薬剤選定も重要な項目になってきます。 それでは施工フローに沿って説明していきます。 富士セラアスベスト除去システム「剥離工法施工フロー」 事前準備なんかのところは先日説明した「 レベル1工法 」と重複するので省きます。 ひとつだけ留意していただきたいのが、先ほども書きましたが、 「薬剤の選定」 剥離剤を使用する場合は、どの薬剤が有効かを事前に 試験施工 する必要があります。 行政・労基によってはその試験施工の結果を事前の届出の際に添付するよう指導している ところもあります。どこにどの薬剤を添付し、どれくらい養生した後除去したのかを 必ず調べるようにしましょ (これをやっておかないと後で痛い目にあいます) ①壁繋ぎの施工 外壁の石綿含有仕上塗材を除去するにあたり、外部に足場を設置する必要があります。 足場の倒壊を防ぐため、躯体にアンカーを打ち、躯体と足場を連結させます。 その時に石綿含有仕上塗材に穴をあける作業、それが行政によっては「除去作業」に 該当するところがあります。 行政に問い合わせると「飛散しないような工法で施工してください」と言われます。 飛散しないような工法ってどんなや!って思う方もいらっしゃるかと思います。 行政によってはそこを先に除去して…なんて言い出す行政もいます。 足場が無い状態でどうやって除去するんや!と憤りを感じたこともあります。 しかし、世の中便利なものがあるんです。 集じん装置付ハンマードリル こちらの 集じん装置付ハンマードリル を使用します。 なぜこれを使うのかといいますと、躯体を削孔する際に発生する粉じんを吸引し、 HEPAフィルターでアスベスト粒子を集じんし、クリーンな空気を排出できる装置だからです。 こちらを

アスベスト対策 レベル1(石綿含有仕上塗材)

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こんにちは 今回はアスベスト対策工事 レベル1(石綿含有仕上塗材)について説明します。 何度かこのブログでも「石綿含有仕上塗材」というワードが登場してきまして、 そのたびに取り扱いが難しい旨を書かせていただきました。 何故取り扱いが難しいのかというと、 ①吹付け施工 ②ローラー・コテ・刷毛塗り で、法の解釈が異なるからです。 ①はそのまま 「吹付け材」 なので レベル1 として取り扱います。 ②は 「吹付け材ではない」 ので レベル3 として取り扱います。 同じ建材なのに、施工された方法によって取り扱いが変わるのです。 なんでや!って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、昨年5月末より、 環境省・厚生省より通達が有り、そのような取り扱いが明記されました。 それまでは、自治体によって解釈がことなり、 東京都では「レベル3」建材として 神奈川県では「レベル1」建材として 取り扱うよう明記されていました。 まずここまでで、 「施工方法」 によって 「届出」 が異なることはご理解いただけたかと思います。 次に論点となるところは 「施工方法の選定」 です。 なぜ施工方法がそんなに大事かというと、塗材の特性上、 対応できる施工方法が分かれてくるためです。 塗材は一般的に下記の図のような断面構成をしています。 このような層に分かれています。 このどこにアスベストが含有されているかが施工方法の選定に大きく関わります。 さて、ここで石綿含有仕上塗材の除去工法を説明していきます。 石綿含有仕上塗材の除去工法については、厚生労働省も環境省も 日本建築仕上材工業会の研究発表をもとに、下記の工法について 「隔離養生と同等の措置」を認めています。 ①集じん装置併用手工具ケレン工法 ②集じん装置付き高圧水洗工法 ③集じん装置付き超高圧水洗工法 ④超音波ケレン工法(HEPAフィルター付き真空掃除機併用) ⑤剥離剤併用手工具ケレン工法 ⑥剥離剤併用高圧水洗工法 ⑦剥離剤併用超高圧水洗工法 ⑧剥離剤併用超音波ケレン工法 ⑨集じん装置付きディスクグラインダーケレン工法 また、隔離養生をしてでの作業として ⑩ディスクグラインダーケレン工法 ⑪水洗

アスベスト対策 レベル1

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こんにちは 今回のブログではアスベスト対策工事のことについて説明します。 一番施工品質が求められる 「レベル1」 の対策方法からご説明します。 ※石綿含有仕上塗材の対策については工法が異なるため改めて説明します。 まずは大まかな流れをみるために施工方法のフローチャートをご覧ください。 下記フローチャートは 富士セラ が日本建築センターにて建設技術審査証明を取得した、 「富士セラアスベスト除去システム」 のフローチャートになります。 1.事前準備   こちらではまず、アスベスト工事を進めるに先立ち、調査を行います。   以前の記事で、 アスベスト含有調査のことを書きました が、ここに含まれます。   調査をもとに施工計画書を作成し、届出を行います。   届出については 以前の記事 を参照ください。   その他工事に必要な工具、資機材、薬剤を準備します。 2.準備作業   準備作業では、アスベスト工事に先立ち、   ・お知らせ看板の設置   ・立ち入り禁止措置   ・石綿則で定められた表示の設置   ・休憩所、手洗い場の確保   を行います。   近年では 手洗い場の確保 を指導する労基が増えています。   万が一目や皮膚に石綿が付着してしまった場合洗浄するためです。 3.養生前清掃   HEPAフィルター付き高性能真空掃除機を使い、養生前に清掃を行います。   これは、経年劣化により作業場内で脱落、または堆積してしまっている可能性のある   アスベストを養生前に取り除くために行います。   除去工事が終わって、養生シートをばらした後にまだ作業場内にアスベストがある!   だなんていやですからねw 4.養生作業   床養生から行います。   床養生は「0.15mm以上の厚さのプラスチックシート」を必ず使用します。   (石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアルに記載されています。)   床養生は重ね幅300mm以上、立ち上り300mm以上で行い、2重で養生を行います。   その他養生は「0.08mm以上の厚さのプラスチックシート」を使用します。   壁養生も同様に重ね幅300mm以上で行い、1重で養生します。 5.セキュリティールームの設置   アスベスト除去作業をした作業員が

アスベストの危険性!

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こんにちは 今回はアスベストの健康被害についておご説明します。 アスベストは極めて細く尖った繊維をしています。 このアスベストですが、通常の粉じんとは違い、肺内まで達します。 肺に達したアスベスト繊維は、肺に突き刺さり、炎症を起こさせます。 炎症が治まった後もアスベストが突き刺さったままの肺は中皮腫や肺がんを発生させます。 この「アスベスト吸引」~「肺がん・中皮腫発症」までの期間が大変長いため、 裁判の論点としてよく争われます。 アスベストが原因とされる病気は以下になります。 1.石綿肺 アスベスト暴露から10年以上後にレントゲンで病変が洗われます。 高濃度の暴露であれば、10年未満でも発症します。 2.肺がん 通常の肺がんと変わりありません。 アスベストの暴露から20~40年の潜伏期間の後に発生することが多いです。 3.中皮腫 中皮細胞に由来する胸膜・腹膜・心膜・精巣鞘膜より発生する悪性腫瘍で、 アスベストの暴露から30~50年後に発症することが多いです。 以上がアスベストが原因で引き起こる病気の一例です。 上記からもわかる通り、アスベストの暴露から発症までの期間が長いため、 アスベストと病気の因果関係の証明が裁判では重要になってきます。 それでも近年では国や石綿メーカーの敗訴が目立っており、 万が一病気が発症しても裁判で勝てる見込みが高いのではないかと思います。 ※あくまで私の一意見です。 アスベストから身を守るために必要なことは 先日のブログでも書いた通り、「アスベストが含有されていると疑わしい建材」には ①触れない ②近づかない ③衝撃を与えない が重要になってきます。 よく立体駐車場や機械式駐車場の鉄骨部分に吹付が見られます。 アスベストがあったらいやだなぁって見ています。 色が白いから白石綿(クリソタイルといいます)かなぁとか思ってます。 先日行ったホームセンターの駐車場では吹付け材に何かが当たったのか落ちてました。 いやですね…完全職業病です。 こんなマスク付けて街を歩きたくないですしね…。 自分はアスベスト被害大丈夫か?と心配な方は、健康診断にて自分の肺の状態を管理 されることをお勧めします。 ちなみに

アスベスト助成金について

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こんにちは 今回はアスベスト対策のための助成金についてのお話です。 アスベストは元々 「夢の建材」 として様々な箇所に使われてきました。 それこそ、国がアスベストを使用することを推奨していたほどです。 だから現在、国が責任を追及されており、訴訟を起こされている状態です。 (いくつかの裁判では国が負けています。) 国が高度経済成長期の時にアスベストを使うよう推奨していた過去の責任をとるため 現在は、含有調査と除去工事において助成金制度が設けられています。 この助成金は国が各自治体を通して助成する制度で、 支給の条件、支給額、上限金額は各自治体毎に定められています。 今回はそんな助成金制度についてご紹介します。 1.含有調査に対する助成金 こちらはアスベストが実際建物内にあるかどうかを調査するにあたり、 専門員の派遣や、調査にかかる経費を助成するものです。 自治体にもよりますが、助成金制度を設けている殆どの自治体では 「吹付材」 の調査に対して助成金を支給しているところがほとんどです。 ※吹付材とはレベル1建材のことを指します。詳しくは過去の記事 "こんなものにもアスベスト" をご確認いただけたらと思います。 1検体分の調査費(採取費+分析費等)を助成している自治体がほとんどです。 さらに含有調査を行う者の条件として 「建築物石綿含有建材調査者」 の有資格者が調査を行うことが定められているケースがほとんどです。 東京都の含有調査の助成金制度については" こちら " を参照ください。 助成金申請のフローは表のとおりです。 2.除去工事に対する助成金 こちらはアスベストの除去するための助成制度です。 残念ながら解体工事に伴うアスベスト除去は対象とならないことがほとんどです。 また、建築確認を取得していない、検査証がない等、違法建築物については助成金を支給しない自治体があります。 支給額は自治体によりさまざまで、自治体によっては除去工法に対して 「日本建築センターの建設技術審査証明取得工法による」 や 「日本建築センターの建設技術審査証明を取得している会社が施工する」 という条件が付加されていることがあります。

アスベストが見つかった!どうしよう!

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こんにちは 今回はアスベスト調査の結果、アスベストがあったときの対応策のお話をします。 アスベストがあったら ①今まで何もなかったんだから、とりあえずリフォームや解体するときまで放置する。 ②子供が小さい等の理由があり、健康被害を防ぐために早急に措置を講じたい。 という意見に分かれるかと思います。 アスベストに対する知識がないゼネコンさん、または所長さんなんかですと、①を選択されるケースが多いです(残念ながら…) 公共工事においても、アスベストがあったがために特記仕様書の内容を変更することもあります。 予算や工期の都合上、 ① を選択されるのはよくわかります。 しかしながら、あまり長い間放置するのはお勧めできません。 某不動産において、吹付アスベストがありながらそのテナントを貸し出し、 その借主がアスベストによって肺気腫になり、裁判を起こされ、結果敗訴した というケースがあります。 現在、大気汚染防止法の届出「特定粉じん排出作業等実施届」は 平成26年より届出義務者が「元請」から「発注者」に変更されました。 これは建物の持ち主がアスベストに対して適正に処置を施しなさいというのが目的なんだそうです。 つまり、工事を行わなくても、アスベストが原因で健康被害が発生した場合 建物の持ち主に責任が問われる ということです。 それをよく理解した上で、 ① を選択していただきたいと思います。 (数百万で工事してしまえば済むものが、数千万の損害を出す可能性がありますからね…) さて、ここからは ② を選ばれた方のために説明していこうと思います。 1.アスベスト含有建材がレベル1建材だった場合 対策されるのであれば、すぐにアスベスト専門業者に問い合わせましょう。 工事を行うにも行政・労基への手続きが必要になり、施工方法も大がかりなものになることがほとんどです。 2.アスベスト含有建材がレベル2建材だった場合 こちらも、対策されるのであれば、すぐにアスベスト専門業者に問い合わせましょう。 工事を行うにも行政・労基への手続きが必要になり、施工方法も大がかりなものから小規模なものまであります。 3.アスベスト含有建材がレベル3建材だった場合 私個人の意見としましては、レベル3建材

これはアスベスト?

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こんにちは 今回は前回記事で宣言した通り、アスベストの心配を払拭?するための調査方法を ご紹介します。 自宅や職場等にもしアスベストがあったら… 怖いですね。 アスベストの健康被害は、30~40年後に出ると言われています。 あの時のあの建物! とか、あそこ小さいときに傷つけた! など、過去を悔むこともあるかもしれません。 僕の実家にもジュラク壁があり、そこがまさにアスベスト含有懸念箇所となっています(涙 それでは、アスベストが身の回りにあるのかどうか、その調査方法をご説明します。 1.建物の年代による調査 まずはじめに対象となる建物の着工年月日を確認します。 平成18年9月1日より、アスベスト含有率が「0.1%を超えるもの」と基準値が引き下げられました。 それ以降の建物でしたら、アスベストが使用されていることはほぼないと言えます。 「絶対にない!」と断言できないのは、施工した業者が在庫処分等により不法に施工した可能性がゼロとは言い切れないからです。 2.設計図書による調査 もしご自宅や職場、これから工事を行う現場の設計図書があるのでしたらそちらをご覧ください。 その中に 「石膏ボード」 「岩綿吸音板」 「フレキシブルボード」 「吹付タイル」 「長尺シート」 「Pタイル」 「ケイ酸カルシウム板」 「耐火被覆」 「トムレックス」 等がありましたら、アスベストがあることを疑った方がいいです。 一番簡単なのは「仕上表」を見れば、建物にどんな建材が使われているのか一目で把握することができます。 3.現地調査 設計図書がしっかり残ってる建物ばかりではありません。 前回紹介した「 目で見るアスベスト建材 」を片手に、実際の建物に使用されている建材を確認する方法です。 建築の知識が必要になってきますので、建設業界に携わっていないかたには大変かもしれません。 4.分析調査 気になる検体を分析機関へ送り、分析調査をしてもらう方法です。 検体を採取する際は、該当検体がアスベストを含んでいる可能性があるので、 しっかりと保護具を着用して採取する必要が有ります。 本来であればアスベスト専門業者に依頼するのが確実です。 以上4つの方法により、アスベスト調査を行うことができます。

こんなものにもアスベスト

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こんにちは 前回はアスベストについて簡単に説明しました。 前回掲載記事" アスベストとは何ぞや ” 今回はこんなところにアスベストが使われていますよ!という内容を書こうかと思います。 前回掲載記事の中にあったアスベスト建材一覧を見ればわかる方もいらっしゃると思いますが、 アスベストは大きく分けて3つのレベルに区分されています。 各レベルでの建材代表例は下記の通りです。 アスベスト建材 レベル1 レベル2 レベル3 飛散性が非常に高い 飛散性が高い 飛散性が低い 吹付石綿 石綿含有吹付ロックウール ひる石 石綿含有仕上塗材※ 煙突断熱材 保温材 耐火被覆板 スレート 天井ボード 床タイル ダクトパッキン 巾木や壁紙 順を追って説明していきましょう。 1.レベル1建材 吹付石綿・石綿含有吹付ロックウール について… 石綿とはアスベストのことを言います。 こちらは主に ・鉄骨造(S造)の柱、梁、デッキ等 ・機械室、電気室の壁、天井等 ・エレベーターシャフト内 等に見られます。 およそ昭和30年~平成2年までの期間で使用されていたと言われています。 しかしながら、施工業者が在庫処分ということで、ロックウールの中に混ぜて使用していたケースもあるようで、含有調査の際、平成2年以降竣工の建物でも検出されることがあります。 ひる石 について… こちらはマンション等で天井ボードで隠れた部分に施工されていることがあります。 遮熱や防音のために施工されていることがほとんどです。 続いて取扱厄介な 石綿含有仕上塗材 について… こちらは建物の外壁、ベランダの軒天、階段の段裏、内壁等に施工されています。 取扱が厄介とさせていただいたのは施工時に 「吹付け」 で施工されたのか 「ローラー・左官・刷毛」 で施工されたのかによって取扱いが異なるからです。 吹付けであればレベル1建材、その他施工であればレベル3建材として現在は定義されています。(もしかしたら今後変わってくるかもしれません) また、仕上塗材

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